発電してから家のコンセントに届くまで
私たちは毎日、当たり前のようにコンセントへ電源プラグを差し込み、家電やパソコンを使っています。しかし、その電気はどこで作られ、どのような道のりを経て私たちの家まで届いているのでしょうか。
この記事では、発電所で電気が作られてから、家庭のコンセントへ届くまでの流れを順番にわかりやすく解説します。
発電所には様々な種類があります
電気は「発電所」で作られます。しかし、発電所と一口に言っても、その種類は一つではありません。
代表的なのは、石炭や天然ガス、石油などの燃料を燃やして蒸気を発生させ、その力でタービンを回す火力発電所です。現在の日本では火力発電が発電量の大きな割合を占めています。
そのほかにも、核分裂で発生する熱を利用する原子力発電所、ダムから流れ落ちる水で水車を回す水力発電所、太陽光を直接電気に変える太陽光発電、風の力で風車を回す風力発電など、さまざまな方法があります。
発電方法は異なりますが、どの発電所でも最終的に「電気を送り出す」という目的は同じです。
なお、火力発電の燃料や発電所の仕組みについては、それだけで一つの記事になるほど奥が深いテーマです。
電気は50万Vまで昇圧され送電されます
発電所で作られた電気は、そのまま家庭へ送られるわけではありません。
発電機で作られる電気は数万ボルト程度ですが、その後「変圧器(トランス)」によって最大約50万ボルトまで電圧を高くして送電線へ送られます。
なぜそこまで高い電圧にするのでしょうか。
理由は、送電中の電力ロスをできるだけ減らすためです。
同じ電力を送る場合でも、電圧を高くすると流れる電流を小さくできます。そして電流が小さくなるほど、送電線で熱となって失われるエネルギーが少なくなります。
そのため、日本中に張り巡らされた鉄塔と送電線には、超高圧の電気が流れています。
送電線で見かける太いケーブルは、何百キロメートルも離れた発電所から都市部まで大量の電気を効率よく運ぶための重要な役割を担っています。
配電線を通って家庭へ届きます
送電線を流れてきた電気は、そのまま家庭へ送られるわけではありません。
途中にはいくつもの変電所があり、電圧を段階的に下げながら各地域へ送り分けています。
最終的には電柱の上に設置されている灰色の円筒形の設備「柱上変圧器(ちゅうじょうへんあつき)」で約6600ボルトから100ボルト・200ボルトへ変換されます。
私たちが普段見ている電柱には、この変圧器や開閉器など、家庭へ安全に電気を届けるための設備が数多く設置されています。
こうして電気は道路沿いの配電線を通って、一軒一軒の住宅へ届けられます。
電力量計を通ります
家庭へ引き込まれた電気は、最初に電力量計を通過します。
現在では、多くの家庭でスマートメーターが使われています。
この装置は、家庭で使用した電力量を計測するだけでなく、通信機能によって電力会社へ自動でデータを送信できます。
以前は検針員が毎月各家庭を訪れて使用量を確認していましたが、現在では遠隔で確認できる家庭が増えています。
スマートメーターは、電気料金を計算するためだけでなく、停電の把握や電力需給の管理にも活用されています。
分電盤を経由します
電力量計を通過した電気は、家の中にある分電盤へ送られます。
分電盤にはブレーカーが設置されており、家中の電気を安全に管理しています。
例えば、一度にたくさんの家電を使って契約電力を超えた場合にはアンペアブレーカーが作動し、漏電が発生した場合には漏電ブレーカーが電気を遮断します。
また、照明やエアコン、コンセントなど、それぞれの回路ごとにもブレーカーが設けられているため、一部の回路だけを停止させることも可能です。
分電盤は普段あまり意識されませんが、家庭内の電気を安全に利用するために欠かせない設備です。
家のコンセントに到着します
分電盤を通った電気は、壁の中を通る配線を経由して各部屋のコンセントへ届けられます。
日本の一般家庭では100ボルトのコンセントが主流ですが、エアコンやIHクッキングヒーターなど消費電力の大きな機器では200ボルトの専用コンセントが使われることもあります。
コンセントは電気のゴールではありません。
ここからさらに、パソコンの電源を入れたり、スマートフォンを充電したり、電子レンジで食品を温めたりと、さまざまな電気製品へ電気が供給されます。
つまり、私たちが毎日何気なく使っているコンセントの裏側では、
発電 → 昇圧 → 送電 → 変電 → 配電 → 電力量計 → 分電盤 → コンセント
という長い旅が行われているのです。
